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瓦礫の下の小説
2012-01-17
【開運メッセージ】日に日に生きることが信心である。
毎年、阪神淡路大震災の日が来るたびに思い出してはいましたが、プライベートなことでもあるので、ブログにはなかなか書けないことがありました。
以下は、今回フェイスブックに掲載した内容です。
当時、関学に通っていた高校時代の同級生Fの実家(広島)に電話した。
「おお、よかった。生きてたか。安心したわ。」すると、
Fは「俺は大丈夫やった。ただ、重松があかんかったわ・・・。連絡してくれてありがとう。」と明るくたんたんと話してはいたが、彼の声からもどこか無念さを感じていた。
あれから17年。
二十歳で逝った重松の話題をすることなくここまで年月が過ぎた。
彼も関学に通い、司馬遼太郎に憧れ、小説家を目指そうと夢を描いていた。
1月17日、下宿していたアパートが地震で全壊。
死後、ゼミの教授と友人たちが遺品を整理しに行った時に見つけたのが、瓦礫の下で埃まみれになっていた原稿用紙。
そこには彼の小説や詩が書きためられていた。
それを教授が編集し、学内に出したところ、マスコミでも話題になった。
ついに彼の作品は、野坂昭如氏の序文の下、『瓦礫の下の小説』として、集英社から単行本として発売される流れとなった。
思わぬ形だったろうが、彼は夢であった小説家として死ねた。
だが、今も生きていたら、いろいろと書いてただろうと思うと残念でならない。
今度、関西に転勤になったFと久しぶりに会う予定。
それも高校時代の同級生がオーナーの店で。
人の寿命の長短はわからないが、重松を偲び、昔話をしつつ、人生の後半戦に備えてエネルギーを蓄えたいと思う。
六千人を越える御霊様の助かりを祈るとともに、残された者のひとりとして、力強く、日々生きて行きたいと思っています。