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願いの宮は岐路に立つ人、起死回生を賭ける人を応援します。
各界でご活躍されるトップランナーから日本一縁起のいい宮司こと、
桃山宮司が開運の秘訣についておうかがいします。

特別対談

伝えゆくもの、百年のその先へ。

ご鎮座百年を祝い、桂米團治師匠が願いの宮にご来訪されました。
上方落語の雄が語る、伝統の継承と次代への展望を桃山宮司がうかがいます。

落語家・米朝事務所代表取締役社長
桂 米團治

願いの宮7代目宮司
桃山 きよ志

伝えゆくもの、百年のその先へ。 桂米團治師匠

プロフィール

桂米團治(かつらよねだんじ)

1978年、父である桂米朝に入門、桂小米朝を名乗る。2008年、五代目桂米團治襲名。上方落語特有の華やぎを大切にしながら古典落語を追求。独自の世界を構築している。
桂米團治オフィシャルブログ 
http://yonedanji.jp

桃山きよ志(ももやまきよし)

神道家の家に生まれる。1999 年七代目を継承。戦災により衰退した旧宮の復興を願い5 年間の行に入る。2004年、5年の行満願に伴い、宗旨宗派を問わない「願いの宮」を開宮。国内外から多くの参拝者の支持を得、新進気鋭の神職としてメディアにも多数取り上げられている。

【第 1 回】芸道と神道。

米團治師匠の提唱する「おぺらくご」についてお話をうかがいました。
落語の文脈でオペラを読み解く試みは、今や観客の絶大な支持を得るまでに。
多方面へのコラボレーションを仕掛ける願いの宮との共通項とは。
そして「ご利益」と「教え」のバランスに揺れる信仰の最前線について桃山宮司に迫ります。

オペラ×落語。
異種間コラボ『おぺらくご』は
表現者たちのせめぎ合いから生まれた。

桃山師匠は落語にとどまらず他ジャンルとのコラボレーションに積極的に取り組まれておられますね。

米團治古典芸能の中でも、落語はお能や歌舞伎と違って解説書がいらないんですよ。解説するにしてもあらすじを書いたらだいたい終わり(笑) だからこそ、予備知識なしでもわかる芸能としての強みがあります。僕自身、オペラが大好きで舞台を鑑賞するのですが、結局どういう話やねん、と帰宅してから調べたり、3回も4回も見直すんですね。そうか、こういう話だったのかと。落語なら初見でお客様に楽しんでいただけるのに。こう思ったのが『おぺらくご』のきっかけなんですよ。難解なオペラを落語的にお話をつなげてしゃべったら、手引書いらないじゃないですか。お客さん、全部わかるやんと。自分自身がわかれば、お客さんもストーリーが理解できるはずだから。落語としてきっちりしゃべれば、どんなお客さんにもわかっていただける。

桃山手応えはいかがですか? お客さんの反響は?

米團治作り上げるのに10年かかりました。でもこっちがある程度納得できるまで作り上げると、お客さんは素直に喜んでくださいます。ちょっとの手抜きもできません。オペラ歌手がいて、オーケストラがいて。みんなが30パーセントずつ力を出したらええんちゃう?、というのではないですね。みんなが100パーセントの力をぶつけてやっと作品を80から90パーセントの力にできるかなというのが、芸の融合というものだと思うので。お互い真剣勝負ですよね。それには普段からの自分の落語に隙があるとコラボできないんですよ。それは音楽側、オペラ歌手もそう。自分にちょっとでも隙があったら対等に渡り合えない。そういう意味では、芸の融合というのは自分の本芸を磨くためにもいいチャンスになると考えています。

【第1回】芸道と神道。

時代の変化を逆手に取って
常に挑戦しつづける神社でいたい

米團治桃山さんは、金光教のお家にお生まれになって。でも日本には伊勢神宮を中心とする、神社本庁があるじゃないですか。そことの兼ね合い、せめぎ合いはむずかしいとは思われませんか?

桃山日本の宗教は「ご利益」と「教え」、この二つのバランスを保って存在しているのですが、戦前は仏教が教えを、神道がご利益を担っていたと思います。これが戦争が近づくにつれ、神道が両方をまかなわねばならなくなった。

米團治国家神道ですね。

桃山そのとき生まれたのが「教え」を持つ神社なんです。

米團治金光教はそういった神道の系譜を担っているんですね。

桃山そして日本は戦争に負けた。そのとき今度は仏教が、「ご利益」と「教え」の両方を持つようになったのです。そして現在、ふたつの宗教のバランスが元に戻りつつあるときに、金光教という教派神道はどうあるべきなのか。その存在が淘汰されかねない時代に、僕はそれを逆手にとって普通ではできないことをおこなう神社として存在したいと考えています。既存の神社ではできないようなことも、お寺のようなことも、うちならやりますよ、ということを考えています。

【第1回】芸道と神道。

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