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願いの宮は岐路に立つ人、起死回生を賭ける人を応援します。
各界でご活躍されるトップランナーから日本一縁起のいい宮司こと、
桃山宮司が開運の秘訣についておうかがいします。

特別対談

伝えゆくもの、百年のその先へ。

ご鎮座百年を祝い、桂米團治師匠が願いの宮にご来訪されました。
上方落語の雄が語る、伝統の継承と次代への展望を桃山宮司がうかがいます。

落語家・米朝事務所代表取締役社長
桂 米團治

願いの宮7代目宮司
桃山 きよ志

伝えゆくもの、百年のその先へ。 桂米團治師匠

【第 3 回】どこに行っても天地がご神体です。

願い取次という独特のスタイルを取る願いの宮。
その信仰の在り方について米團治師匠が迫ります。
今に生きる人々が求める神との交流とは。
そして既存のスタイルにはない、教派神道の改革者としての桃山宮司のスタンスとは。

あらゆる人に開かれた
信仰のかたち、
それが願いの宮スタイルです。

米團治お見えになる方には信者かそうでないか、分け隔てなく接されているのですか。

桃山そうです。ここは老若男女どなたでもお越しいただけます。

米團治ただこちらの始まりは金光教ですよね。あらゆる人に開かれたという宮の方針に、神社本庁などからの圧力はなかったのですか?

桃山それはないですね。逆に身内のほうが変わったことをやりよって(苦笑)、と。

米團治ああ、そうか。今までの方針を変えたことで、文句を言ったり心配する人の気持ちもわかります。

桃山当時はネットの風評のみで判断する方もおられましたので。それも5年もたてば、聞こえなくなりました。継いで5 年、それ以降改革を始めてさらに5年。その頃には批判の声も聞こえなくなりました。

米團治周囲も落ち着いてこられたのですね。ちなみに願いの宮のお取次ぎ時間って何時からでしたっけ?

桃山朝の6時から夕方6時までですね。

米團治朝の6時から来ていいんですか!?

桃山歓迎しますよ。

米團治大変ですね。たまには朝寝もしたいでしょう。

桃山高速バスに乗って、朝一番に駆けつけられる方もおられました。泣く気まんまんで朝6時にここへ来て。化粧を落として、タオルを握りしめて(笑)

米團治悩みを聞いてくださいーって。若いときに、何千何万の苦しみや叫びを聞いた体験から、全国津々浦々どなたの悩みも聞いて差し上げましょう、あなたの願いをかなえましょう、ということですな。だからここは願いの宮と。

桃山インターネットが普及してからは、そうした方がお見えになりやすくなりましたね 。

【第 3 回】どこに行っても天地がご神体です。

どこにいても、天地がご神体です。
時にはおしゃれなカフェで願い取次も。

米團治普通の神社では…、何が普通かはわからへんけれど。神社本庁に属するような神社では、神社では願い事をするところではありません、神様に感謝の意を伝えるところです。お詣りに来させていただいてありがとうございましたと言いなさいと、今まで教えられてきたように思うんです。ここは願いごとをどんどん言うていいんですか。

桃山願い取次にいらっしゃる方は、それも含めて神様との交流を求められておられます。願いごとをすれば、当然のように感謝の気持ちはあふれてきます。願いっぱなしではなくてね。願いごとをする、今日はこんなふうに過ごしました、無事に1 日を過ごさせていただいてありがとうございました、というように。「願い」と「感謝」は車輪の両輪のようなものです。どちらも欠くことはできない。願いごとは大事ですし、感謝の気持ちも大事。神様の前でかしこまった気持ちになるのももちろん大事。こうした神様とのコミュニケーションが円滑になるきっかけに願い取次が介在するのは、自然なことだと思います。むしろ神様は、人間がこの宮まで来て何をお願いするかなんて、すでにわかってらっしゃると思うんですよ。

米團治すべてお見通しなんですね。ここへ来ただけで、半分願いが叶っているようなもんか。

桃山実際の神社で願掛けをすると、神主さんは個々の願いごとには関わらない。しかしうちはそこをちょっと踏み込んで関わっていきます。お節介なんですけどね。悩み事を喋り出したら、自分が本当に悩んでいたことはこれではなかった、こうだったと気付く。どんどん自分の悩みが変わっていく。一番大事なこと、優先順位をはっきりさせたうえで、お願いごとを述べる。そこまでは寄り添ってお話をうかがっていきます。

米團治きよ志さんのお役目というのは、神様とここにこられた方の媒介のようなものなんですね。

桃山邪魔をいかにしないかを心がけています。人間心(にんげんこころ)で、正しい、間違っていると諭すのはまた別のお話ですので。

米團治多いときは一日に何人くらいの方がお見えになるのですか?

桃山10人くらいですね。年に2回、東京にもお邪魔しています。恵比寿のカフェを貸切にして、そこで願い取次をおこないます。現地に祭壇を作って。若い女性を中心に、朝から夜まで予約が入ります。

米團治それは…、金光教の古いおっさんが怒るわ(笑) なんで恵比寿のカフェでやらなあかんねん、て。(一同爆笑)

桃山それを楽しみにいらしてるお嬢さんたちがいらっしゃいます。これまでとは別の、お取次ぎを必要とする層が確実に存在していますね。

米團治まあ、私どもの世代からしたら、今までの神社の感覚がガラッと変えられてしまうような気はします。でもきよ志さんの感覚からすれば、むしろ日本古来の形に戻そうとする思いではないですか。形作った社殿があってではなく、まずは魂やないかい、と。

桃山そうです。どこにいても天地がご神体ですから。

【第 3 回】どこに行っても天地がご神体です。

プロフィール

桂米團治(かつらよねだんじ)

1978年、父である桂米朝に入門、桂小米朝を名乗る。2008年、五代目桂米團治襲名。上方落語特有の華やぎを大切にしながら古典落語を追求。独自の世界を構築している。
桂米團治オフィシャルブログ 
http://yonedanji.jp

桃山きよ志(ももやまきよし)

神道家の家に生まれる。1999 年七代目を継承。戦災により衰退した旧宮の復興を願い5 年間の行に入る。2004年、5年の行満願に伴い、宗旨宗派を問わない「願いの宮」を開宮。国内外から多くの参拝者の支持を得、新進気鋭の神職としてメディアにも多数取り上げられている。

【第4回】へつづきます

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