インタビュー
INTERVIEW
interview
インタビュー
願いの宮は岐路に立つ人、起死回生を賭ける人を応援します。
各界でご活躍されるトップランナーから日本一縁起のいい宮司こと、
桃山宮司が開運の秘訣についておうかがいします。
- 特別対談
伝えゆくもの、百年のその先へ。
ご鎮座百年を祝い、桂米團治師匠が願いの宮にご来訪されました。
上方落語の雄が語る、伝統の継承と次代への展望を桃山宮司がうかがいます。
落語家・米朝事務所代表取締役社長
桂 米團治
願いの宮7代目宮司
桃山 きよ志
【第 4 回】いま、願いを形にする時期を迎えて。
なごやかな雰囲気の中でお話が進む中、突如登場した米團治師匠秘蔵の品とは…?
そして親子三代、100年先を見据えた願いの宮の未来について桃山宮司が語ります。
愛用の神楽鈴を持ってきました。
米團治松尾大社で手にいれた鈴です。今日はお宮での対談ということで持ってきてみました。手作りの品で今、京都で作れる最高のものだそうですよ。ちょっと振ってみましょうか。
桃山素晴らしい音色ですね。
米團治最初はおぺらくごの『魔笛』で小道具に使おうかと考えていたのですが、あれは銀の鈴なので。結局出番はなかったのですが、僕がどうしても欲しくなりまして(笑)
受け継がれゆく願い
宮、100 年後のグランドデザイン
米團治きよ志さんは、お父様とのエピソードなどは?
桃山父は自由人ですね。いかに人にまかせるかということを常に考えている人で(笑)
米團治お父様は宮の進退を早くに決められたのですね。
桃山そのかわり地域のお役に立っております。願いの宮を退いた後は町会長などをやっております。今年で71歳になりました。
米團治まだお若いですね。お子様は?
桃山5年生です。男の子なのですが。
米團治その男の子もいずれはここを継ぐと。
桃山そうですね。そうなってくれたらうれしいですね。ただこれからの時代、本人の視野が狭まらないようにと考えています。
米團治ああ、そうですか。ひとつのことにこだわりすぎないようにと。
桃山今は世の中の流れが早いので、古い考えに凝り固まっていると取り残されてしまいます。自分の好きなこととここでの活動がうまく噛み合ってくれたらうれしいですね。
米團治100年後の願いの宮に向けて意識されておられることはありますか?
桃山自分が関われるのは50年後くらいまでかな。今、この宮は願いを形にする時期に来ているということでしょうか。この建物も20 年前に考えていた当時の理念が建物の形をとっております。今度の遷宮によって、今の時代に寄り添った新しい理念が具現化することでしょう。
時代や環境に翻弄されない
根元の部分を見据えていきたい
米團治政治的な事を言うならば、今の日本は欧米の傀儡のような立ち位置ではないですか。経済的に見ても、地政学的に見ても植民地のようなものです。かつて存在した日本的な魂がどんどん失われていく。僕はこう思うんです。ならばそれを逆手にとって、日本はアメリカになりましょう、アメリカの51番目の州になりましょうと。総理大臣は本国から人を呼んできて。アメリカ人が統率する自由と平等の51番目の州が誕生するわけです。人口が1億2千万人の『日本州』の誕生ですな。ちなみにアメリカは50の州の人口を合せて2億数千万人、たったひとつの州が50の州の過半数を超える人口を有する、これは法の下の平等に触れるじゃないか、ということで『日本州』は分割されるのです。47都道府県、とまではいかなくても26くらいの州にね。そして各州から上院議員を二人くらい選出しましょう。日本の国土からどんどんアメリカの国会議員が出ていく。で、ある日の上院議院の法案に、アメリカの国旗を日の丸にしましょうという提案がなされる(一同爆笑)
桃山それはおかしい(笑)
米團治これこそ身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあるというやつですな。日本人の魂を売り渡さずにね。
桃山思わず聞き入ってしまいましたよ。
米團治でも願いの宮もたぶんそんな感じじゃないですか? 形はどうでもいい。お宮の中に大黒さんがいてはる。これいいですねえ、これもいいですねえと、いろんなものを取り入れていく。でもその根本は変わらない。
桃山おっしゃる通りです。時代や表現は異なれど、これからも根元の部分をしっかりと見据えていきたいと考えています。
プロフィール
桂米團治(かつらよねだんじ)
1978年、父である桂米朝に入門、桂小米朝を名乗る。2008年、五代目桂米團治襲名。上方落語特有の華やぎを大切にしながら古典落語を追求。独自の世界を構築している。
桂米團治オフィシャルブログ
http://yonedanji.jp
桃山きよ志(ももやまきよし)
神道家の家に生まれる。1999 年七代目を継承。戦災により衰退した旧宮の復興を願い5 年間の行に入る。2004年、5年の行満願に伴い、宗旨宗派を問わない「願いの宮」を開宮。国内外から多くの参拝者の支持を得、新進気鋭の神職としてメディアにも多数取り上げられている。
【終】
(編集・構成:逢坂杏 撮影:小西健三)
<対談後にスタッフと記念撮影。米團治師匠ありがとうございました!>